そもそも「太る」ということについて考えたことはありますか?
ふとってしまうのは、体の中に「脂肪(しぼう)」がたくさんたまってしまうことです。
脂肪は体にとって必要なものですが、多すぎると、いろいろな病気の原因になることがあります。
たとえば、血(ち)の中の脂(あぶら)が多くなったり、血のながれが悪くなって「高血圧(こうけつあつ)」になったり、心ぞうの病気やガン、ひざやこしの関節(かんせつ)がいたくなる病気になったりすることもあります。
だから、ふだんから「ちょうどいい体重(たいじゅう)」をたもつことが大切なんです。
「ふとるのは、自分のせいだ」と思ってしまう人も多いけど、実はそれだけじゃないんです。
もちろん、毎日の食べ方や生活のしかたも大きく関係しているけれど、体の体質(たいしつ)や年れい、ストレスや病気など、いろんな理由がかさなってふとってしまう人もいるんです。
とくに、年をとってくると、やせるのがむずかしくなってきます。
40代をすぎると、食事に気をつけたり、運動をがんばったりしても、思ったほど体重がへらないことが多いそうです。だから最近では、病院で医者のちりょうを受けて、やせようとする人がふえてきています。
そんな中で、今、注目されているのがウィゴビ(Wegovy)という薬で、体重減少(ダイエット)を目的とした注射型の医療用薬で、主に肥満や体重管理が必要な人に処方される薬です。
アメリカの医薬品メーカー「ノボ ノルディスク(Novo Nordisk)」によって開発されました。
「위고비(ウィゴビ)」という名前の薬(くすり)です。このくすりは、もともとは「糖尿病(とうにょうびょう)」という病気のためにつくられたもので、注射(ちゅうしゃ)で体に入れます。
でも、このくすりを使ってみたら、「やせる効果(こうか)」があることが分かったんです。そのため、アメリカのFDAという機関(きかん)で「太っている人のための薬」として使ってもいいと承認されました。
しかしこの薬がどこでも買えるわけではありません。コンビニやドラッグストアで売っているダイエットのサプリメントとはちがって、医者さんのしっかりとした「処方」が必要です。とくに、大きな病院や専門のクリニックでしか使うことができないのです。
今のところ、30代〜50代くらいの人に多く使われていて、その中でも女性の方が多いそうです。くすりを使う人は、体の「BMI(ビーエムアイ)」という数字が27以上で、糖尿病や高血圧などの病気がある人が中心になっています。そういう人たちには、とても高い効果が出ているそうです。
東京のあるクリニックの先生はこう言っています。
「ウィゴビ」は、やせたい人にとってとても助けになる薬ですが、すべての人に合うわけではありません。だから、自分がふとっていて心配な人は、まず病院に行って、自分の体の状態をよくしらべてもらうことが大切です。」
また、こうも話していました。
「この薬は、ただのダイエット用のサプリメントとはちがって、医者の処方が必要な本格的な薬です。人によっては、使うことで気持ちがわるくなったり、便秘(べんぴ)や下痢(げり)になったりすることもあります。
なので、使う前には、かならず医者とよく相談することが大事です。そして、使うときは、ちゃんとした病院で、しっかりと診てもらってから使ってください。」
それに、どんなに良いくすりを使ったとしても、生活のしかたを変えないと、またすぐに体重がもどってしまう「リバウンド」がおこることもあります。だから、くすりにたよるだけじゃなくて、バランスの良い食事や、毎日の運動、しっかり寝ることなど、生活を見なおすこともとても大切なんです。
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まとめ
ふとることにはいろいろな理由があって、年をとるとやせるのがむずかしくなることもあります。今は、「やせる注射」として注目されている薬もありますが、それは自分だけでは判断(はんだん)せずに、お医者さんといっしょに考えることが大事です。そして、くすりだけにたよらず、生活のしかたを見直すことも忘れずにがんばりましょう。
自分の体を大切にして、元気にすごすために、毎日のちょっとした心がけが未来の健康を作るんです!