運動の種類と代謝から見たダイエット効果

運動の種類と代謝から見たその効果

先に血糖が低くなると、肝グリコーゲン→ブドウ糖に分解すると言いましたが、備蓄されている肝グリコーゲンはせいぜい150g程度で、普通に生活していても半日程度で消費されてしまう計算になります。

しかし、実際には同時にグリセロールやタンパク質の分解も起こっていて、肝臓自身にも必要なグリコーゲンを全部使ってしまうことはありません。このように、体内の栄養素は常に、分解、合成が繰り替えされることで、体に必要な恒常性を微妙なバランスを取りながら保っているのです。

 したがって、同様に、運動をしたからといって、グリコーゲンが枯渇してしまうようなことにはなりません。また、骨格筋は筋グリコーゲンと同時に、脂質をエネルギーとしても使うことができます。その骨格筋は運動時の使われ方から、遅筋と速筋とに区別することができます。遅筋は主に脂肪酸を消費し、速筋はブドウ糖を消費するといわれてもいます。

しかし、無酸素運動と言われるような、心拍数が上がるような強度の高い運動中には、筋肉のエネルギー老廃物である乳酸や乳酸生成を促進するアンモニアの分解が間に合いません。その結果、pHバランスが酸性に崩れて、筋肉が動かなくなってしまう(筋肉疲労)問題が起こります。

結果的にグリコーゲンや脂肪を十分に消費するだけの運動量が得られないことになります。一方、激しい運動の後に穏やかな運動をすると、乳酸がその筋肉に留まることなく、肝臓へ運ばれて分解や再合成、又は排出されたり、他の筋肉でエネルギーとして再利用されたりします。これを激しい運動と対比してクールダウンと言います。

このような有酸素運動と言われる穏やかな運動では、少ない疲労で、エネルギーを効率よく消費することができます。ウォーキングなどはその代表的な例でしょう。しかし、ウォーキングのような運動は単位時間あたりのエネルギー消費量が少なく、効果を得るには相当の長時間を要します。忙しくて余暇時間のない人には、食事のダイエットプログラムと上手に組み合わせことが必要です。運動による大雑把なエネルギー消費量の見積もりは、

消費量(kcal) = 体重(kg) X ランニング(ウォーキング)距離(km)

で得ることができます。

たとえは、70kgの人が10km走ると、70X10=700kcalを消費するというわけです。

ちなみに、これを脂肪に換算するには、7kcal/gという係数で割ります。すなわち、700/7=100gの脂肪を減らすことができます。

すなわち、70kgの人が5kg脂肪を減らそうと思ったならば、500km走るか、50食分の食事量を減らすかのどちらかなのです。(当然ながら、これを短期間でやろうとすれば、脂肪以外の体に必要な組織の減少も伴います) 

ランニングを習慣としているランナーの良いところは、ある程度スピードがあるので、より短いランニング時間で体重を減らすことができるところです。また、コンスタントに月に数100km走るので、計画的にウエイトコントロールができます。